支えられて育つ 2

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梅雨入り後も合羽が必要なほどの雨はなく、日の長い毎日を早朝から夕暮れまで働きづめで過ごし、おかげで作業としては結構進んだ。 

定植作業も先が見えてきた為、支柱たて等、地味ながら手のかかることも並行している。

 

Shichuu

 

これはインゲン。
 

支柱を必要とする野菜は多い。

しっかり支えてしっかり育ってもらいましょう。

 

 

 

かみさん出稼ぎの間、1週間ほど両親が滞在し、父が畑を手伝ってくれて大助かり。

有難いもので、ここに来ると必ず「手伝ってやろうか」と言ってくれるのだが、それが以前はとても辛かった。 

高齢の身体への負担を考えるとやらせたくはなかった。

十中八九腰を痛めるだろうと思いながらやってもらい、案の定そうなってしまった時にはすごく後悔した。 

 

だが、今は、少しは楽に、楽しくやってもらえるかもしれない。

作業内容が変わり、それが可能になったと思う。

少しでも我が子の力になってやれたら、という優しい父親の気持ちを汲んでやれるとしたら嬉しい。 

 

 

しかし、いくつになっても親に支えられているなぁ。

支えられて育つ、ではなく・・・老いる・・・

更に老いた両親が未だに支える側、とは。

 

久々のハードワーク

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天気予報のおかげで。

9時ごろには降り出してやがて激しく、というものだから、野良作業の勝負は早朝と4時には畑に。・・・それが、やれどもやれども雨降らず、畑で充実の13時間労働、久々です。&超久々の「すき屋」で昼食。

 

どうしたことか、あれほど苦しめられた腰痛の兆しはなく、3日前には高熱でダウンしていたのも嘘のように、馬車馬の如く働けたのです。 

するとこんなに気分が良い。

身体は心の支配者です。

 

 

今日畑に降っていたのは・・・

雨のかわりに(ニセ)アカシア吹雪の中の1日でした。

 

ホワイト・フラワー・マルチ・・・少しは抑草効果もあるでしょうか。

 

Maruchi65 

支えられて育つ

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Tsuchiyose528

 

茎ブロッコリーの土寄せ作業をしているところ。

この作付けラインは耕起した。

 

不耕起栽培では出来なかったが、野菜の生育を促す為に土寄せは欠かせないもの、とは思っていた。

例えば小松菜なんかが発芽して暫らくして込み合ってきた芽を間引く時、残った苗にすっと指で土を寄せると、その後の生育が明らかに違ってくる。それならやれた。そして効果を実感していた。

耕してあると土寄せが出来て有難い、というのが今の正直な気持ち。そして野菜も喜んでいるかな。

逆に野菜の生育条件が整いすぎかなぁ、なんていう変な違和感を覚えもするが・・・

いやいや、これでいいのだ。生育させたくて栽培しているのだ。しっかりするのら。

 

さて、こういう野菜生育の為の栽培技術に割く時間は、実際のところ、これまではあまり取れなかった。

この時期は特に、自然の旺盛な生命力としのぎを削っていた印象ばかり。

植え付け草刈り、植え付け草刈り、植えながら宿根草の根と格闘し、草刈り機は1日に8時間ぐらい回していた時も結構ある。作物が草に飲み込まれないように守ることだけで精一杯だった。

 

でも、耕した方が良い、楽だ、とそんなことをいうつもりではない。

耕すことは機械とセットであるように今はなっているけれど、人力で、鍬を使って耕すとしたらそれがどれほど大変か・・・そもそもが最小限のエネルギーで、という発想から不耕機栽培は生まれたのだと思う。そこに農業機械の発達に対する価値観の転換、という大きな意味も伴っていた。

元々大昔は不耕起だった、だろうが、わりと早い段階で、議論の余地なく耕す方にシフトしたという気がするので、不耕起は新しい取り組みという認識を僕は持っている。

拠ってその栽培技術の開拓を大事なものと思うし、追求する友を応援している。

 

僕の場合は先日カミングアウトしたように、心の奥底では、前職以上の収入は絶対条件と思って始めて、意地になってやってきたような人間だから、毎日機械駆使して、おかげで(自分で言うのもなんだが)神業レベルまで草刈り機扱えるようになったけど、あれに比べればずっと今の方がいいなぁ。

草刈り機、今日は1時間ほど使ったけど、まだ今シーズンに入って3回しか動かしていない。

 

で、やはり過酷だったよなぁ、去年の一昨年のその前・・・の、あいつら。頑張ったな。

支えがないどころか、幼少期から常に争っていた・・・。

 

そんなことを思い出しながら、すくすくと育つ為の支えを構築していく。

1つ気がかりは、収穫物の雰囲気は・・・どう違うか・・・ものすごく愛せるか・・・

 

眩しい風景

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Dennennhuukei525
 

 

自宅付近から田園風景を見下ろす。

この土日は田植えラッシュで活気が溢れていた。

 

眩しかったなぁ。

田に力と書いて男、男になるには田をやらなきゃ

と赤嶺さんが言っていたのを思い出したりする。

 

遠ざかること早7年。

今は弱腰だが、またいつかそのうちに、オレも男になりてぇな。

 

懺悔

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耕してから植えると、初期生育はやはりかなり違ってくる。

 

Endou  

根が抵抗なく張れるからか、葉茎もスーッと素直な伸び方をするようだ。

このスナップエンドウもあまり見たことのないような生育状況、素直が逆に物足りないような気もしてしまうのだが、初期生育で優位に立つことが大事であることは間違いないと思うので、この様子から収量には期待できるかと思う。 

 

先日小さなブロッコリーの苗植えた。 

 

Burokkori
  

これも耕して根張りのスペースを確保した。

 

 

でも弊害があることが分かった。

1週間ほどの間に1割弱が枯れてしまった。

犯人は根きり虫。

 

Nekirimushi1  

このやろう!

 

Photo  

ブチュ!

へっ、許せよ、食うか食われるかだからなっ

 

ブチュ!ブチュ!ブチュ!ごろごろ出てきやがる。

丸々太りよって!ええい許さん許さん!!

 

・・・ 

 

Nekirimush3  

いやおかしいぞ・・・

つぶさなくていいなぁこれ 

 

昨年までこういうことはなかった。目の前にそれしかないからそりゃ食べる。

隣の草生ラインに離せばいいんだな。

食べ物豊富にある場所に。

 

 

Nekirimushi4  

カーっとなってしまった。申し訳ない。

 

 

再建

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朝の体操のノルマをやめ、仕事の作業スタイルを変え、自分に課した日常の決め事もいろいろ壊しているうちに、訳が分からなくなってくる。

そこでまた腰を痛め、ずんずん落ちる。

 

工事中。

朽ちた柱は全て取っ払う。丈夫な柱と入れ替えるため。

今はほとんど壁だけで屋根を支えているから支えきれない。

臨機応変、適材適所、工夫といっても柱がないとやはり崩れてしまう。

でも建て替えが必要不可欠だったことは間違いない。

 

 

 

※ 5月は百姓にとって忙しい時期ですが、ここまでのところ不覚にも半分の日数を寝て過ごしています。

山菜セットを主として再開していた出荷ですが、今月いっぱいはお休みとさせて下さい。

体調(腰)回復の為と農作業の遅れを最小限に食い止める為に、出荷作業に使う時間と体力をこちらに充てたいと思います。

今年も旱魃気味で野菜の生育は順調とはいえず、多くのケアを必要としています。作付けのピークでもあり、ここでどれだけ作業をこなせるかで1年の成果が決まるといっても過言ではない時期です。ご理解お願いいたします。

  6月には「旬のセット」をしっかりお届けできるように頑張ります。

 

好みのビジュアル

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昨年までの所謂不耕起栽培での定植作業では、鋸釜や指先を使った半径5センチ円周内の耕起だったが、管理機を使うと50センチ幅ぐらいが耕され作付けしやすくなる。

そして植え付け直後の状態で、これまで5センチ離れた場所からまもなく押し寄せてくる他の草々との共生競争を余儀なくされていた幼苗に、数倍の距離と時間の猶予が与えられるようになる。

これまで野菜を草に”ギリギリ勝たせる”ことを理想に掲げてやってきたのだが、そこら辺りの感性には違いはなく 

 

Souseisaibai510 

 ”草生栽培”っていうのか、こんな感じを変わらず大事にしていきたい。

トラクターで広い面積茶色く耕された農地を見るとなんか落ちつかず、自分がそうしようとはきっと思わないだろう。

環境云々をいうわけではなく、僕の好みとして。

 

手が間に合わず勝たせられなかった、ということが減るといい。いやきっと減るはず。

毎日一生懸命面倒見てきた苗達、畑に出ても皆苦労しながらも逞しく育っていってほしい。

 

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昨夜のゲリラ暴風雨、浅間山は雪だったようです。

 

Photo  

例のポジションより・・・

昨日とはちょっと雰囲気が違います。

風冷たい! 

えつおさん無事お帰りですか?

 

ポジティブメッセージ

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何日も畑に置いてあったレタスとキャベツの苗は元気でいてくれて、本日定植無事終了。

腰痛とうまく付き合いながら楽しく作業できたことで、今日は爽やかな気分を味わえている。

 

昨日、劇的な改善が進んだのは、GW中近所の別荘に滞在されていたヨガの先生の「操体法」の指導を受けてから。いろいろと新しい感覚を持つことが出来た。

まず朝の体操について、僕はこれまで腰痛対策として、毎朝40分ものメニューをこなしていた。数えてみると14種類にも及ぶさまざまな腰痛予防体操、ストレッチそして腰椎強化やらなんやら、すべてやらないと気が済まなくなっていた。

だが、結果を見ればこれだけ腰痛を頻発している。

まだ足りないか、やり方が甘いのかずれているのか・・・と日々考えながら、相当のエネルギーを起き掛けの40分、どんなに忙しくてもきつくても注ぎ込んでいたが、これが裏目に出ていた、という発想をスムーズに持てた。これは新鮮な驚き。

 

「操体法」の基本とは、いやな感じがすることは決してやらないことという。

快適な動きも、繰り返すうち違和感を生じることもある。だから回数を決め事として設けない。

基本の「型」はあるが、アバウトでいい。とにかく身体の「気持ちのいい」感覚にフォーカスすることが大切。

ポジティブなエネルギーが身体を調整する、という仕組みの追求である。

 

それを伝える先生の言葉、そして声、眼差し、手の温もり・・・から、溢れるほどに発信されていると感じたポジティブメッセージ、それを僕は受け取り一気に快方に向かった、と感じている。

今朝は教わった通り、心地の良い身体の動きを10分ぐらいだろうか、ゆったりやってのそのそ起き上がった。

腰に良いといわれる姿勢を意識せず、つらくない姿勢を1日貫いた。身体の声(メッセージ)に従って。

 

面白いな。人生は深いな。

 

嫌なことをせず、好きなことだけやり続けているうちに嫌なことはなくなるのかな。

苦手な人を避け、好きな人とばかり過ごしすようにしていたら苦手という存在は消えるのか・・・

さあ、それはどうだろうな・・・

いろいろ面白いな。

 

無知

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昨日畑で腰があまりにつらくなり、そのときに思い出してしまった。

最近知り合った整体師のことを。「私に任せれば根本から直っていきます」といってくれた初老の男性だが、連絡して診てもらうことになった。幸い治療室は畑から近い。

どうしても終わらせたい作業が残っていた。 

すこしでも楽に動けるようになれば有難い。

ああ、甘い言葉につられ、そんな出来心が招いた試練。

 

誠心誠意やってくれたと思う。顔を見てそれは分かった。

シャツ1枚になり、汗垂らしながら指先に力を込めて・・・。

 

え~~!と思ったが言えなかった。

痛いと言った場所をグイグイ押してきたが、これってあまりに非常識な治療法では・・・

そんなこと知らないわけはないとは思うが、ついついなのかなんなのか、よく思い出せば知識としてどこかにあるがさまざまな理由から忘却している、としたらそれも無知という。

おじさん、善人だがちょっと許しがたい。作業どころか歩行困難な身体になってしまった。

明日もきて、と言っていたけど、行くもんか!っていうか行けんわ!!

「壊し屋さん」と命名したい。

 

そんなわけで今日はまたゴロゴロと休日。

無知といえば、耕したら直ぐ植えちゃだめなんだって知らなかった。

そういえば聞いたことはあったけど忘れてた。

昨年来何度か耕す栽培試したが、植える直前に耕してばかりだ。

うまくいった試しがないのはそれでかな。

どうやらこれも「あまりに非常識」というレベル。

ははは。

 

3件のコメントカテゴリー: ブログ

  

久しぶりです。

2日前から書き始めたものです。

空いた時間に書き足して

今終えました。

ちょっと変なとこありそうですがそのまま更新します。

 

~~

 

朝の9時。

珍しくこんな時間にブログを書きはじめました。

今年早くも”ギックリ3号”、その通過待ちです。

 

今朝は随分早く目が覚めて、といって仕事も出来ず、そのうちに、ふと10年が過ぎた「自然農園」を振り返り、過去、今、これから、について考えはじめて・・・

ちょと書いてみます。いや長くなるか、腰が持つかな・・・。

 

転進 

林業を生業とする為あちらこちらと捜し歩いた末(まだインターネットなんて言葉も知らない頃だった)、雇用条件等を照らし合わせて今の地に移住した僕が、その4年後に諸々の理由から農業に転進する際、当然「家族をしっかり食わせていく」ことを誓ったものです。今以上の収入を得られるように頑張るよ!

そのことを、今更ながら思い出します。そして、それから年々夫婦関係が悪化していった背景として、そこに大きな要因があったのだと思い当たります。 

それを為し遂げられない日々、為し遂げられそうにない日々の繰り返しでした。

 

自然農 

就農するにあたって何軒か農家を見学させていただきましたが、よく覚えている言葉があります。

「絶対必要なもの1つといったらトラクターじゃないかな」

そこは小規模な有機農家でしたが、それでもやはりそう感じているのか・・・と思いました。

それでも目指す不耕起栽培への胸に秘めた思いは、そういう言葉を聞く毎に膨らんでいきました。

それは根っからへそ曲がりであることと、チャレンジ精神旺盛であることが大きな要因でした。

不耕起栽培の農業で食っていってやろうと考えただけでしたが、所謂「自然農」というカテゴリーに組み込まれる形になりました。そして便乗するように屋号を「自然農園たかはし」としました。

 ~~

中断しました。夜になって続きです・・・

 

反骨心支えに

この10年間の特に初期の頃には、畑で13~14時間働くことも珍しくなかったです。

とにかく必死でやりました。

作業自体もかなり過酷で、苗1つ植えるだけでも思ったように進んでいきません。有機農家を参考にノルマを決めても全く辿り着けなくて悲しくなります。耕した圃場、不耕起圃場、同じように手植えしたとして、多分植え付け時間は1株平均でざっと7,8倍はかかる筈です。そして時間以上に身体への負担は大きく、鋸釜を持つ手は、何度も腱鞘炎になりかけました。

でも耕そうと考えたことは3年ほど前まで1度もなかったと思います。

 

価値の転換

自然農への傾倒を続けてきたことに後悔の気持ちはありません。

価値感の転換を覚え、そのことで夫婦の乖離は進みましたが、大きな引き出しの中が充分に埋め尽くされるほどのものを得たとも思います。そしてそれはいつでも躊躇せず出し入れします。

そんな積み重ねで、今ではあらゆる物事に対して随分寛容になったように思います。

 

Tさん

4年ぐらい前、東京朝市に出店している時、話をしに何度も足を運んでくれた若い御夫婦がいました。ブログを隅々まで見て感銘を受けた、今のサラリーマン生活から離れて農業をしたい、自然農を、と。本気でした。翌年就農し、自然農に取り組んでいます。所謂半農半Xによる自給的な暮らし、とかではなく、収入を得て家族で「食っていく」道を選びました。

今では僕より多くの収穫を上げているかもしれない。年始に会いましたが自信に満ちた表情をしていました。 

頭脳明晰で学習能力が高く自立心も高いので、何1つ心配していませんが、僕が過去、前向きにとブログを綴ってきたなかには、誇張した表現もあったかもしれません。

その拙ブログを読んだことをきっかけに、今この厳しい道を歩んでいるという彼らの事実を思い、ちょっとまとめて書いてみたいと思ったのがこの記事です。

勿論それ以上、今後も一切干渉するつもりはないですが。

 

最低限の収穫量

野菜の作付けをするときに、例え家庭菜園であっても「収穫量は度外視で」なんて思う人はほとんどいないはずです。

「こんなんなったらいいなぁ」なんて豊かな実りを想像するでしょう。

その上で「最低限このぐらいは・・・」というイメージもある。その基準はそれぞれで違いますが、この自然農(不耕起栽培)はそのラインをを下回る確立が高い栽培方法だろうと思います。収穫量以外のメリットはいくつも並べることが出来るのですが、傍からみれば、そこにはやや虚しさが滲んでしまうものでしょう。昔ながらの農村地にいて僕自身が数え切れないぐらい同情憐憫嫌悪の眼差しを向けられてきたのでよく分かります。

まあ他人の目はいいんですが、収穫量を確保できなければ、なかなか自尊心を保てないものです。だから勿論、自分なりに最優先の課題として取り組んできたつもりです。

これからもそうです。農業をする限りその継続です。

大分長くやってるような気もしますが、季節ごと作物ごとにいえば作付けは1年に1回。失敗すれば次のチャンスは翌年です。

10年間(わずか10回)の経験(ですが)を通して、”耕す”ことへの人間の歴史の重みも感じられるようになってきました。

 

大きな出来事

もう7年ぐらい前になりますが、肺癌を患ったという中年女性から電話を受けました。

抗がん剤治療はせず、知り合いに薦められたあなたの人参を使ってゲルソン療法に取り組みたい、と。

聞けば毎日(365日)のジュースに1キロが最低必要とのことで、僕には難しいので他を当たって下さい、と断っても、今あなたと話していてイメージが浮かんだ、前向きなイメージ、やっていけそうです、なんとか出来る範囲でいいですからお願いします、と切実な言葉に熱い感情が伝わってきて・・・僕も一念発起、引き受けました。後にこの方は僕を親友、そしてソウルメイトと呼んでくれることになります。  

さて、他の個人宅配のお客さんにも好評でリクエストの多い人参は、大幅に収穫を増やさなければいけなくなり、そのことがスキルアップに繋がったのは確かでしたが、いかんせん栽培法上の限界があって”出来る範囲”は期待を大きく下回るものだったに違いありません。でも彼女は僕の説明(釈明)をとても熱心に、明るく聞いてくれました。体操教室の講師をされていたのですが、価値観にとても通じるところがあったのです。

そして癌が消えました。

「奇跡よね!本書くわ、人にも薦められたの」と無邪気にはしゃいで電話で知らせてくれました。

・・・・ 

その方が一昨年亡くなりました。僕が人参を届けられない時は、遠くの有機野菜コーナーのあるスーパーで購入されていたそうでしたが、「最近忙しくて・・・ たかはしさんのが出来てくるのを待ってるわ」と言っていた次の検査で”再発”という結果になってしまいました。

実際に僕が届けていた人参がどれほど効果を持っていたのかは分かりません。そして様々なことが彼女の運命だった、といえばそうでしょう。

僕も出来ることは精一杯やったつもりですが、違った状況を生み出せる要素はあったと思います。

そして現在、癌手術を経て再発防止のために人参ジュースの摂取を日課とされているSさんに言われています。 人参いっぱいよろしく・・・。

 

価値観に留まらず

いつも、ジュースにするのだから形や大きさにはこだわらない、と言ってもらえます。

前のあの方の時もやはりそうでした。それで僕は、その言葉をそのまま鵜呑みにして親指ほどの人参や三つ又四つ又何でも送ってしまいました。それしかなくて致し方なかったのです。

初め「まさに自然の人参ですね、こういうものを取り込んでいれば元気になるわけです!」と言ってくださった彼女も数回続いた後「ちょっときつくなってきました。何もせずにジュースにするわけではない、洗ったり取り除いたりの手間はかかる。こういうサイズではかえってストレスが身体を蝕みそう」と連絡してきたので、そうだよな、そりゃそうだ、申し訳なかった、と反省したのです。

 

昨年から、かみさんがパートを始めて僕が夕飯を作るようになりました。

小さな小さな自家用の野菜を使って料理をすることに僕は価値を感じているし、なにより楽しい。

親指どころか小指より細い人参も大根も愛しい食材です。

そんな気持ちを以前ブログにも書いたのですが、宅配のお客さんの中には理解して共鳴してくださる方がたくさんいました。

「たかはし規格」でいいじゃないですか、という言葉もいただいた。

でも・・・

僕ごときの小さな個人の価値観を、共有してもらいたいなんていうのは、おこがましいような気もする。

そして価値は認められつつも、それぞれ家庭の現実の中では有難くないものとして存在する四つ又人参、これでお金を頂くことは、やはりできないな。

 

耕す

百姓は基本的に、毎年新たな気持ちで春を迎えます。

昨年小さな管理機(カルチベータ)を購入しました(コチラ)

でも結果は良くありませんでした。

稀にみる旱魃の影響もあったかと思います。耕した場所は特に水分が(肥料分も)乏しく生育は芳しくありませんでした。

もっとも耕したとはいっても、小さな小馬力の機械では宿根草を掘り起こすこともできないし、おまけに直ぐに草が絡まるため5分と続けて稼動できないので、直ぐに全て不耕起での栽培に戻しました。

草刈機(刈り払い機)による作付け時の操作が大幅に時間と労力の削減に繋がることを発見し、夏秋の作付けはなかなかうまくいったのです。これは究極の不耕起栽培だ、と思わず自画自賛しつつこの春を迎えました。

 

こだわりと社会貢献

そんな矢先に小屋を焼いてしまいました。

小型管理機も刈り払い機も消失し、特に高出力の刈り払い機が無くなってしまったのはショックでした。

そんな折「管理機貸しますよ」といってくださる方。僕は大喜びで借りました。

初めての2輪管理機(耕運機)。

かつて勤めた農業法人ではトラクターの運転はしていたけど耕運機はなかった。はてさてカルッチの5倍のハイパワーはいかほどか・・・。

 

お~~すげ~~!!・・・始めて機械が登場して耕したときの昔の農家の感動ってこんな感じだろうな、と思いました。古い機械だし(1万円で購入らしい)快調とはとてもいえないものですが、心地の良い新鮮な気持ちを与えてくれたのでした。

ジャガイモ、サトイモ、葱の作付けに使用しました。

耕すことに罪悪感や嫌悪感を持っていたのは果たして何だったのか、との思いも浮かびました。

耕すという字すら好きではなかったですが、畑を耕すことで、きっと心も身体も耕されていく、とうまいこと(?)を考えて・・・

自然農園たかはし を

自然農園たがやし 

に改名する考えも浮かびましたが、完全に転向ではないのでやめときます。

全面積耕すつもりは全然ないです。それはしたくありません。従ってトラクターが必要だとも思いません。

故障していた古い刈り払い機を直し、作物によっては究極の不耕機栽培も引き続き実践中です。

 

僕は今、ぎっくり腰頻発で体力への自信(過信)をすっかり失っていますが、こういう管理機を使えばやれそうだ、と思います。

耕すことで水分や肥料分が抜けるのなら補填することを考えればいいと思う。

 

何事もそうだと思いますが、臨機応変が大事ではないでしょうか。少なくとも僕はそうでないと、こだわりだけで農業はやっていけません。

勿論、無農薬無化学肥料にはこだわりますよ。

でもそこから先は臨機応変にやりたい。

好きな人、大事な人、その要望にしょぼいこと言わずに提供できれば嬉しい。大きくいえばそれが社会貢献の入り口。

いつになってもonly masturbathionでは・・・

 

「とにかく無農薬でたかはしくんが育てた人参がほしいのよ」

ってSさん言っていたっけ。

腰大事に頑張ろう! 

 

 

受け継いだ種

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トマトの鉢上げ作業をしながら、この芽の親達が昨年、

美斉津さんの畑でたわわに生っていた風景を思い浮かべている。

  

こんなにも豊かな畑と作物を残して逝ってしまったんだなぁと思った、その時の感傷を忘れもしない。

その中の、1つの完熟果を頂き種を取った。依ってこのトマトはスペシャルな(?)DNAを宿している。 

あとは栽培する人間の問題・・・。ほんの半歩でも、近づけるかな。

    

Tomatohachiage422

 

 

春爛漫

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随分ご無沙汰しています。

楽しみに待ってくださる方ほんの若干名はいらっしゃるかもしれないと思いつつも、楽を覚えるとなかなか戻れません。

そもそもブログの更新に楽しさより苦労、メリットよりデメリットを感じるならやることもないわけです。

今は体調バッチリ、元気です。

便りがないのが元気な証拠(ネガティブな状況はよく記事にしてますからね)。

 

書こうと思うことはあっても時間が捻出できず、で過ぎ去ります。

他のことにその時間を使っているのです。

他のこととは、体調管理(体操睡眠等)です。そっちが大事です。

 

まあ、今は優先順位の下位にいるブログですが、いずれ上がってくるだろう(かもしれない)とも思いますので、今後ともよろしくどうぞ。

 

・・・・

 

今日は当地もとても暖かくなり、畑に隣接の桜は一気に5部咲きまできました。

Gobuzaki 

畑では播種や定植作業、忙しく、でも根詰めすぎずやっています。

 

今日は身体が良く動き、寒くないってことは本当に有難く嬉しいものだと感じました。 

 

今のセットは貯蔵ものの根菜類と野草、原木椎茸です。

昨秋まで続けていた椎茸のセシウム測定は今回していません。

 

圃場と原木に変化がなく当地の空間線量からみても不要と判断しました。 

 

小屋作り

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本日晴天なり。気温と湿度、そして風のないこと、全てが整ったようなベストコンディションの1日。

農家仲間2名に材料の提供及び力添え頂き、新たな小屋製作。  

普段1人仕事の多い面子で共同作業。3人でやるとさすが早いなぁ~と呟きながら。

リサイクルの部材は完全には揃わなかったが、工夫して作業して・・・夕暮れまでに屋根張りまでやり終えて小さくガッツポーズ。おつかれさまでしたー ありがとうございます!

前向きに前向きにと繰り返す頭に、現実のベクトルが符合して進み始めた実感がした。

   

Koysdukuri329

 

 

 

中身の濃い人生

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久しぶりに家の周りを歩いてみた。

予想通り蕗の薹が群生し、この山にももうすっかり春の息吹が充満している。

  

Hukinotou327

 

 

ここで僕は、単に傍観者でなくこの自然と正面から向き合って、感じて、習って、自立して、懸命に・・・生きる道を選びたいと思う。

四季の奏でる1つ1つを、全身全霊で体感することができたら、即ち中身の濃い人生だろう。

 

 

※購入後10年を超えたパソコンの不具合が顕著になっていて、今年1月以前のメールの履歴が全て消えてしまったので、皆様へのご連絡に際しやや不都合です。

お手数ですが空メールでも送って頂けたら有難いです。

 

リサイクル

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燃え残ったものは拾い集めて、まとめておく。

ゴミにして捨てたりせずに。いつか使うかもしれない。

使わないかもしれないがゴミにはしない。

確実に使えないものも、どっかに出さずそこにおいておこう。

 

先月の雪で潰れたハウスの曲がったパイプや破けたビニールも、ゴミではなくリサイクル可能な素材として保管すれば良いことだ。

新たに物を増やしすぎずに工夫しよう。この機会に一層考えたい。

 

買い物は最小限に。

必要以外の商品梱包資材等がやたら多すぎて有り余る。

有り余り物大国の流れに、便乗せずに過ごせたらと思う。 

  

Makiatsume325

 

 

リフレッシュ

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腰が伸びてきて、気分も大分上がってきました。

明日は少しは働けそうです。

 

忙しいときに限ってなってしまうのは困ったものですが、定期的な腰のリフレッシュの為の身体の作用と勝手に解釈しているので、ぎっくり腰に対して最近はネガティブなイメージで捉えてはいないのです。

心も身体もリフレッシュして”連休明け”を迎えたいと思います。

 

三連休

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三連休真っ只中

毎日ゴロゴロ

今年のギックリ1号やってきた

天気が良くて落ち着かない

 

でもこうしてパソコンキー叩けるまでになり

もう少しの辛抱だ

 

とにかくあせるな

あせるなあせるな

挽回できる

まだ大丈夫

 

新聞を隅々まで読み読書して過ごそう

  

 

Hon

これ、とても良かった。

衝動買いしといてよかったな。

 

三連休で済みますように。

 

終わりは始まり3

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今も夢であってくれと・・・。

 

小屋を解体した資材を使って、新たな小屋作りにこの三日間かかりきりだった。

新たな自分を自他に示すような、仕上がりが奇麗で耐久度も格段にアップしたものを作ろうという思いがあった。

ただし几帳面は望まない、あくまで雰囲気”ヘタウマ”狙いで。あと拘ったのは買い物をしないこと。そこにあるもので工夫することが本当に楽しい。楽しかった。

 

適材適所にうまく当てはまり、俺がやったにしては出来過ぎか、という気がしたほど。

 

Koya317
 

(幻の)薪小屋兼茶室(完成前)

 

だが、しかし、俺の死後もこれは残る、と呟いた、その1時間後に跡形もなくなってしまうとは・・・。

思い付きから焚き火をはじめた。木屑や木っ端など、予想以上の仕事の仕上がりに、柄にもなく奇麗さっぱりしたくなったのだ。

そして無風に思えたし残雪もある場所でまさかな、という魔がさして鎮火を待たず帰宅の途に。直前に学校より早く子を迎えに、という連絡があった、というのは言い訳。

最悪の判断に悪い要素が多重に重なった・・・。

 

現場に駆けつけると、消防の方々が懸命の消火作業を終えたところ。

ただただ僕は感謝の言葉、謝罪の言葉を繰り返すだけ。

ほんと、有難うございます。こんなもんで済んで・・・

 

2つの小屋、ほとんどの農機具、ほとんどの農具、ほとんどの農業資材、薪、畑の1部・・・・・

 

さて!この話は終わり。

明日には気持ちをスパッと前向きに切り替えたいですね。