充分な有機肥料
今年を振り返って、失敗も勿論あったが、やさいの出来に関して概ね良かったのではないかと思っている。
最も痛かった失敗は全部で約100株程植えて、延べ収穫数20本あまりだったズッキーニだが、生育が良すぎたことが原因だと思っているので、まともに育たなかった、というものは、今年は無かったと思う。
1番は、同じ場所で、同じように、多品種だが毎年ほぼ同じものを、もう何年か繰り返し作ってきて、”感覚”が掴めてきたことが大きい。栽培において”経験値(経験知)”が上がったことだと思う。だからいろいろな状況にも対応が
それなりにできるようになってきた。
地力に関しては疑っていない。
耕作している畑7枚のうち、6枚がもう7年以上不耕起だ。
1年の間に、どれだけの草ややさいの残滓やそれぞれの根や虫の亡骸などが土に還っていくことだろう。
勿論無施肥だが土は肥えている。
むしろ、これからはやさいによっては(ズッキーニのように)”肥えすぎ”に注意が必要かもしれない。
「今年届いた野菜はどれも今までと見違えるほど大きく美形に育っているように見受けられました」
先日、長くやさいを取ってくださっている方からいただいたメールにこんなことが書いてあった。
僕が感じるよりも、消費者のTさんは、きっと遥かにクリアな印象でそう感じてくださったに違いない。
1つの成果として形になって現れてきた、ということが嬉しい。
今まで「不健康」だったとは思わないが、商品として「良いやさい」とは程遠かったかもしれない。
少しはそこに近づいてこれたかな。更に努力努力!
無農薬、無肥料です・・・という人がいるが、どうもピンと来ない。
肥料という言葉をどうとるかにもよるけど、肥料分が充分でなければ「良いやさい」はできないと思う。
何をもって「良いやさい」と思うか、という話は大事なのだけど、長くなるのでここではしない・・・。
化学肥料で巨大化した野菜などは論外である。あれは気味が悪い。「有機やさい」でも気味の悪いものをよく見かけるが、あれは肥料を食べているようなものじゃないかと思ってしまう。
適度は難しい。
自然が適度。だから難しい。
とりあえず・・・
そこに既にある、充分な肥料をその身に蓄えることができるように、栽培夫の僕はやさい達の手助けを臨機応変やってあげる。それが仕事、それを少しでも上手くできるように。