完全復活 秋晴れ
ちゃんと治ってくれるんだね。l
およそ2か月ぶりにこの日が来た。
枯れ色の草が多くなり小松菜の緑が映える。
空は群青色のよう。
ナツメが色づいてきた。
ちゃんと治ってくれるんだね。l
およそ2か月ぶりにこの日が来た。
枯れ色の草が多くなり小松菜の緑が映える。
空は群青色のよう。
ナツメが色づいてきた。
お彼岸を過ぎた。
昼より夜が長くなり、
一雨ごとに寒くなる。
初老の農夫の心に物悲しさが募る季節・・・。
とか言ってられないせわしなさ。
秋の日はつるべ落とし。
真っ暗になる前に帰るという約束。
最後お母さんの顔を見てから寝たいだろう。この初老の農夫は母性本能に駆り立てられる。
1日中動き回って日が暮れて、鶏舎の止まり木に皆自分で上がって待っている。ころを除いては ・・・あれ・・・ころだ!
上がれたんだ!
ころ復活の日。
朝、明るくなる頃のぞいてみたらもう立ち上がって餌を食べていた。
びっこを引いて歩くのは変わらないが明らかに動きが軽やか。
玄関を開けるとミミズ場へ急行。ほじくってひたすら食べ続けた。
さてそれから今日も皆のもとへ連れていく。
日に日になんというか、他者ばかり気にする、ことがなくなっている感じ。
群れには安易に近づかないが、自分のペースで土を搔いたりなにかつついたりしている。
少しでも長く外で過ごしてくれればと願い・・・すこし今日は明るい気持ちで畑に向かえた。
・・・
まあしかしここにくれば多少暗くはなる、”黒もち”圃場の被害は毎日更新という・・・
おこぼれありますか~ 食べ残しはないかなぁ~~
今日は結構あった。
人間用には全滅というけれど1粒を喜ぶ鶏には結構なごちそうとして持ち帰れる。
僕が畑で思うのは・・・はっきりいって必ず30パーセントは鶏のこと。
彼女たちは自分と野菜を待っていてくれる、喜んでくれる存在。
自分の作業と自分自体が報われる喜びを与えてくれる愛しい存在。
お待たせ!
いたいたいた!
いちにさんしご、ろく!
ころがいた!!
たくさん食べろー ころもがんばれー
よーしもう大丈夫!
大型台風の接近中だが、このあたりは雨もほとんど降らず、どうやらこのまま無事やり過ごせそうだ。
さて、ここ数日間うちの玄関に置物のように鎮座していたころに動きが・・・。
玄関を開けるや否や飛び出してミミズが大量にいる路肩へ。何故わかっているのか知らないが一目散に向かった。そして普通に当たり前のように食べている。
昨日まで目の前に差し出しても逃げてしまって食べなかったのに。
そして皆のいるスペースに自分から行きたがった。大きな1歩!
ただやはり、しばらくするうちに恐怖心が強くなってダンボール小屋の奥に逃げ込んでしまったので、また玄関内の所定の場所に連れ帰り落ち着かせた。そうして畑に出かける。
皆の中でもまれながら慣れていってもらうのも手かもしれないが、それよりも自分側の心身コンディションを整えることを優先させたい。
今の状態ではまだいたずらに傷つけられてしまうだけだ。
きっと3歩進んで2歩下がるみたいな感じだ。あせらずゆっくりと慣れていけるようにサポートしたいと思う。
さて、畑では枝豆の収穫が始まった。
僕の全栽培品目中もっとも自信のある1品、当地在来種”麹いらず”の枝豆。
豊作!
限られた時間で膨大な作業予定。
それにのまれることなく1つ1つかたづけていく。
なるべくそう心がけるようにしてここ数日で人参草取り、ジャガイモ収穫、トマトジャングルの解消(草刈り芽掻き誘引)と大きなところをやっつけた。
ただし当初の予定通りにいくことはない。「予定外」が入るからだ。
だから後に後にとどうしてもずれる。仕方ないが悩ましい。悩ましいが仕方がない。そういうものだと割り切るだけ。
その1つが黒もちトウモロコシ過去最悪の獣害虫害。手を尽くしたつもりだが毎日拡大する食害である。
年に1度の注文をくださる方、長い方は10年以上にわたって毎年お送りしている”黒もちファン”を今年ほどやきもきさせてしまう年はなかったと思う。
雉にムシャ食いされた年もあったし去年もキツネにやられ苦労したがここまでではなかった。
考えられるのは僕の耕作地の隣接する畑は今年からすべて耕作放棄地になってっしまったことだろう。
ソーラーパネル設置圃場が1か所あるがあとはどこも無法地帯のようになっている。
獣が身を潜め、狙いを定めるのに格好の環境となってしまった。
こうなると、かなわないやぁ、と僕はあきらめがち。
まあすべて食べつくされるとまだ決まったわけではないし運を天にまかせよう、とか・・・。
予定外といえばころの世話にとられる時間もそう。
体調はずっと芳しくなく、まあでもなるようになるさと最後は考えるしかなかったが、よくよく観察していたらわかった。どうやらころは心の病だった。
もとは足を痛めびっこになってしまったのは確かだが、そのコンディション不良が原因で徐々にいじめられるようになっていく。食料の争奪戦に参加しないのはもちろん他の5羽に近寄ることさえしなくなり、そして止まり木には上がらず鶏舎の隅で後ろ向きでうずくまり身を固めてほとんど動くこともしなくなってしまった。食欲より恐怖が勝ってしまった危険な状態。
僕が看病を始めたのはそんな時だったようだ。
だからほんとうは医者や薬が必要だったのではなかった。
必要なのは心のケア・・・でもどうすれば鶏の心のケア・・・。
5羽を放し飼いしている敷地の外に出し、そこは公道だがなんとか歩かせて食べさせるようにしている。ただずっと見ていないと車にはねられるかもしれないし向かい側の山に住むキツネや野良猫も怖い。
しばらく促していると動き始める。少しペースをつかむと食欲も出て声も出てくる。ただミミズを出すと途端に恐怖心から毛を逆立てて声と動きがこわ張る。思うにミミズ採り争奪戦でかなり怖い思いをしてトラウマになっているのではないだろうか。
畑に行くときには放し飼いスペースに戻す。家の中よりはいいだろう。ほかの鶏と離れたところに放してもう少し遊んでな、というが、ころは足を痛めていたとは思えない猛ダッシュで鶏舎の中の段ボール小屋に向かう。途中でほかの鶏に見つかるとつつかれる。主にヒメがやる。ヒメはナンバー2の鶏。彼女たちは格付けをかなり気にする。ころは以前ナンバー3だった。
今日もヒメにつつかれた。悲鳴を上げる。すると近くにいたピヨがつついてきた。
ころはここで奮起した。それはそうだ。ピヨはナンバー6、ナンバー5だったチビがケガをきっかけにいじめられた時期があり、その時からピヨが5に上がったが、身体能力ではチビより圧倒的に低く実質的には6だろう。そしてかつてはころが最もピヨをいじめていたのだから。
ところがころの感情にコンディションはついてこなかった。わずかだが優勢はピヨだった。
たしかに最近ピヨのコンディションの良さは感じていた。実際、自信があるからヒメに続いたのだろうし・・・。
そしてその瞬間からのころの動揺は激しくとてもみていられなかった。
自信、屈辱、コンディション、僕には痛いほどわかるところ・・・。
さて、
解決の努力はしよう。
やれることは精いっぱいやろう。
だけどやっぱりそれ以上のことはなるようになるだけ、運を天に任せるだけさ・・・
とやはりそこが終着点となる。
・・・
話し変わって今日発送のセットには秋の実り、栗が入りました。
うちの畑に栗の木が6本あり、うまいことずれながら1月近く収穫が続きます。
そして定番の棗、原木キノコ、等々続き”旬のセット”と自信を持っていえる時期がこれからの2か月
です。畑が最も美しく”自然農”を映し出してくれる季節が秋です。
夏が好きで夏の後の秋は嫌いとずっと思っていましたが、結構良い季節なんですよね。
どうぞ畑へ、遊びにお越しください。忙しさ?全然平気ですよ。
まあそんな暇のある方もなかなかいないかなぁ。
久しぶりに4時起床。
少し明るくなる5時に畑につくように。
午後からの雨予報だったが、朝のうちから降り出す予報に変わっている。きっとびしょぬれだろう・・・白菜植え付けは必ず仕上げる決意のもと下着まで着替えを持っていく。
歯医者が9時半からの予約ということで、8時半にはいったん上がり家の中で寝ているころ(娘がつけた名・・平仮名らしい)と放し飼い5羽の様子をチェックしさっと食事をし歯磨きし出かける。
予約は明日だった、勘違い。すぐさま畑に戻り作業の続き。
まだ雨は降りださない。猛スピードでやったので植え付け作業は終了。あとは雨が降れば活着はうまくいくだろう。
(はんぺん:土着菌塊すごい)
いくつかのマストワークもぱきぱきこなし14時30軽トラ飛ばして帰宅、ころの具合が気になっている。
まずは5羽を確認。草の種のいっぱいついた靴やズボンに集まってくる。いつものこと。彼女たちの楽しみ。僕の楽しみ。
そして室内へ。ころの一応の無事を安心するが、うずくまったままで動いた形跡すらなく見るからに覇気がない。食べないからしばらく糞も出ない。
ふとある考えがひらめいた。荒療治・・・というか普通に考えてそうすべき、と思った。
強引に外に出してしまうこと・・・具合が悪いから大事に大事に、とかえって空気の悪いところで無理に食べさせようとしたり薬飲ませたり、心配のあまりに構いすぎではなかったか・・・。
思った通り、外に出た瞬間目つきが変わった。
下におろすとなんと走った。この2、3日立ち上がることさえなかったのに。
向かったのはいつも砂浴びをしている場所。そうだったかぁ!
痛めた足でもしっかりi掻いている。
そうこうするうち大きな糞が出た。ほとんど食べていないはずなのに、宿便がでた。
もしかすると食べなかったのは、衰弱の表れというより身体の中をきれいにするためだったか。
ころは単に回復に向けて身体の声を聞いていたということだったのかもしれない。
半分は覚悟もしていたところから突然これは大丈夫!と…泣けました。
まあ油断はしないでおこう。明日どうなるか、明日になってみなければわからないと思っておこう。
さてそれから遅い昼食。
腹が減っているのを忘れていた。よくあること。身体に悪そう。
そしてとうとう夕方まで雨は降らず。
もう一仕事は家に隣接の畑でする予定だったが、白菜植えた圃場まで水やりをしに行く。
すべて終えて18時35分。真っ暗だ。すっかり日が短くなった。
帰宅。鶏舎を閉める。ころはやはり止まり木には上がれず特設段ボール小屋でうずくまっている。
明日はどんな日だろう・・・どんな日でもベストを尽くすぞ。withころ
★白菜
先輩からの洗礼を受けながらも活着した姿、神が入ったな、と感じました。
同じ場所で同じやり方で連作してもう10年になりますが、今年は厳しかったですねぇ~。
こうなると先輩からも一目置かれるようになり結構尊重されるのです。
そしてまだまだ苗はあります。
明日明後日の雨マークの間に終わらせなくてはと思います。
この栽培は活着が速やかかどうかにかかっているのだと身に染みてわかったし、時期的にもぎりぎりになってきました。
★黒もちとうもろこし
そろそろ第2弾!のはずがやられました・・・。
このシリーズは出来栄えがよく、冴えなかった第1弾の分も取り返せると思っていたところでした。
対策はかつてないほど念入りにしっかりやったつもりでも隙があったのでしょう。
残りはすべて守りたい!けど今日は時間がなく明日に持ち越し・・・諦めるわけにはいかないので念入りにチェックしてみます。
久しぶりの雨。
しばらく乾燥した晴天が続き畑も乾き始めていたのでちょうどよかった。
植え付けのピッチをあげなければ・・・早く畑に出たいところだが鶏の看病中・・・。
ころ・・・寡黙な職人肌、なだけにアピールしてくることはなかった。
両足にテグスが絡まったまま過ごしていて、なんか動きがもたもたしてるなぁ、ぐらいでしばらく気づかなかった。
僕が片付けられないから、庭にはなにか危険なものが落ちていたりする。そういうものを鶏はちゃんと避けてくれるが、絡まってしまった黒テグスは肉眼では目を凝らしても見えないようなもの(トウモロコシの食害対策に使用)。思わぬアクシデントに驚きしばらく苦しんだと思うと胸が痛む。
最近は、朝鶏舎の戸を開けてから夕方止まり木の6羽を確認して閉めるまでじっくり接するする余裕もなく、放し飼いだから何があっても・・・と多少の覚悟は持っているが、もっと見てあげることぐらいできなかったものかと・・・。
幸い大きな骨折はないとのことだが、関節の変形と炎症に端を発して歩行困難から衰弱が始まったようだ。
医者から処方された薬を飲み始めて3日目だがうずくまったままで動かない。ずっとついていたいがいてもさほどできることもない。畑は1年で1番やるべきことの多い時期になっている。
・・・
生命と接し対応することを生業としている。
自分で種を蒔き栽培する野菜も、育っていくうえでベストの要求があるに違いないが声を聞いてあげられないことばかり。
だけどこうも思う。生命は生まれたところからそれぞれ自立したものであり、生育に関するベストの要求を他者にかなえられるものではないのでは、と。
栽培を通して学びそこに近づこうとするのだけど、結局は自分本位でしかないのかもしれない。
この鶏の話も・・・僕は自分のことでは医者に行くことはない。ころだってきっと医者に行くこと薬を飲むことは本意ではないだろう。
皆自分の中の生命が喜ぶものを受け取ろうとしていきる。だが無数の生命それぞれがそれを受け取り続けることなど不可能なのだし、本人にとって不測の事態というのも運命であり、地球(生命界)全体のバランスのなかの1つの出来事である・・・。あまり自分を責めないようにしたい。
・・・雨も上がった。深く人間につながる話にもと思いましたが、さすがに長々とこの時間にパソコンに向かっているのもきついですね。また。
カープ緒方監督はそんなつもりじゃんないだろうが、「神の白菜」のことを考えていたら”神ってる”と感じるのものの正体は自然との一体感かな、と思った。
・・・
自然のままの場所でほとんど手をかけずに植えた白菜が、すぐにその環境に馴染んで見える。
無事活着してしまえば神々しく輝いてくる。
さて、この最高の舞台で今年も虫食いもなく着々と育っていく・・・
なんてことにはならなかったなぁ・・・・・
ここには先輩がたくさんいて・・・
先輩神ばかり・・・神バッタ!
自然と一体?
ではこれでむしゃむしゃ
と。
うん仕方ない、神の領域なので。