メインステージにて
今年も白菜の作付け時期になった
畑に誰かが見学に来たりすると、時季を問わず必ずここを1番に案内する
この土地を借りたときから17年、その前も10数年間耕作放棄地だったそうだから、30年ぐらいは”耕す”ということをしていないスペース
”不耕起草生栽培”という僕の中の美しいファンタジーが、ここで現実に継続されてきた
ずっと白菜を連作です 草刈りはしません ほぼ何もしません 春から夏まで草ふじが旺盛に茂り、それが一気に枯れたそのタイミングで植え付けです
茶色いじゅうたんになります ほかの草はほとんどなくて”さあ植えてください”と言ってるようです
厚い腐植層のふかふかの土、スポスポと何の苦労もなく植えられるんです
当然無施肥ですが、しっかり育ち虫食いも少なく見事においしい白菜になるんです 奇跡の白菜です
と、大体いつも得意になってそんな説明をする
そうそう、確かに確かに、ここ数年いろんなタイミングが絶妙にマッチした白菜の”自然栽培”ができた
だから、なんとなく自分の中のノウハウのようなものも熟成してきたように感じていたが、考えてみれば”絶妙”は計算どおりに繰り返されるものではないだろう・・・自然とはそんなもの
草の種が方々から飛んでくる、それを良しとしている
草ふじが枯れ始めたころ発芽した草が、豊かな地力を得て一気に育つ
白菜の苗の準備が整いさて植えようとしたときには緑の草原に・・・今年はそんなこととなった
べつに驚くことではない
文字通りの”自然栽培”ってものがあるとすれば、ノウハウはなく、あるのはひたすらに”対応”ではないだろうか、行き当たりばったりといえばたしかにそういえなくもない
そうきたか、と小さくつぶやく、草を刈る、結構きれいに刈った、虫の住処は残したいが草の種をあまり落としたくないとも思う
そうしていつものように草刈り機でのライン切りからの苗差しである
さてどうかな・・・僕のノウハウもどきからすると、植えた苗は虫の餌食かな、と思って今日は植えなかった