ニンニクの畑に来た。
びっしりと草がまだ根を張り巡らせる前に、草取りを敢行する。抜きやすく結構すんなりと終った。ここまではまずまず順調。
そしてこれからは6月の収穫までもう草取りはしない。草刈りを多分2回すると思うが・・・さて、ここから本当の成長期をむかえる。
もう何年も前には、よくこんなことを言われたものだ・・・草取りしないで野菜ができるわけないじゃないか。
その頃僕は草取り(草むしり)には相当否定的だったので、何言ってんだ、今に分かるさ。草取りせずとも野菜は育つ、と反発していたものだけれど、今にしてみれば、実はどちらも正しい。”ある時期”までと”ある時期”からということでいえば。
小さな種を地面に蒔き、さて、どんな風に育ってほしいか・・・きっと思い通りにいかないものだけれど、栽培夫はまずイメージするものだろう。
すくすくぐんぐんと大きくなってほしいとか、強く逞しく困難に打ち勝つしぶとさを身に着けてほしいとか・・・
いや、すくすくぐんぐんと、そして強く逞しく育ってくれればそれに越したことはないと思うだろう、誰でも。
だが、そこで野菜の姿形や味にも反映するのが栽培夫の”さじ加減”だと思う。
まだ小さなうち、順調な生育を妨げないことはとても大事なこと。だから草取りはしなければならない。それもなるべく早目に。
すこし大きくなった頃からは、自力で生きる術を身に着けてほしい。だから敢えて多生物の中に身を置いてほしい。
この段階ではもう草取りの必要はない。邪道かもしれない。多大な保護を受け続ける生命もないものだ。
僕は今そんな風に考えている。
そして、それは午前中の入学式の最中、我が子に向けて抱いた思いでもある。