生き物

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「環境保全型農業」という行政の取り組みに加盟しているのだが、

書類の中に畑の生き物を挙げる項目があったので、僕は草の名前ばかり列挙した。

意表を突いたわけではない。

紛れもなく草も生き物であり、極力草を生かすようにして共存することで、他生物の住処にもなるのだし、多様性のある活力に満ちた畑になると思っているからだ。

活力のある畑で作物にはたくましく育ってほしい。

自分にとって環境保全農業のベースとなるのは、まず多種多様の草が畑にあることだと思っている。そして環境保全という言葉は広義だが、まず生きるために口に入れるものが健康であり力を持っていること、人の食生活がそういう環境であることが、実はかなり重要ではないかと思っている。

栽培として、草との戦いはもちろんあり、殺めねばならない命もたくさんある。だが、病原菌が寄生する温床としての人体を絶滅させてしまわぬように、生物は他生物によって生かされているのだから、殺生は必要最小限にしたい。篤農家の目指す草一本もないきれいな畑には恐怖を感じるし、そこで育っている作物が、見た目は立派でも貧相に見えてしまう。偏見ではないと思う。

そこを、うまくコントロールできればと思って、なかなかそうもいかないのだが、、、

とにかく共存、共生という考え方が大事。

ちょうど知人が体調を崩したと聞いたこともあって、僕はとにかく活力のある健康な野菜を育てたい、それがミッションだと、またあらためて思っている。

 

 

夢幻Ⅱ

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雨の中で割れることもなく

真っ赤に、美味しそうに、

トマトが生っていた

 

告別式が執り行われた雨の日に立ち寄った

あの畑の光景が思い浮かぶ

そして今ここで、あのときに似ていると感じた…

 

トマトを大切に持ち帰った

そして引き継いで命名した

トマトも栽培していた方も

スペシャルでありナチュラルであったから

合わせて”スペラルトマト”

そうしたら、スペラルが乗り越えるという意味を持つ言葉とわかった

この偶然はすごかった

 

先日大雨が続いたときの裂果が壊滅的と思ったのは浅はかだった

それからも毎日のように雨は降るが、今は立て直してきている

耐性ができたかのように、しっかりと乗り越えようとしている
実は、引き継いだ種は2年前になぜか発芽せず、残念ながら絶やしてしまったのだが、

魂が残っていると感じる

ちゃんとここに息づいている…

 

8月末が近づくとトマトを通じて必ず思い出す

亡くなられて8年、時を経て一層尊敬と親しみが増している

 

真っ赤に熟し

たくさん種を宿し

命を持っていたトマトの実が

死をもって僕に活力をくれる

いや僕の中に生きているのか^

生死の境は曖昧に、ぼやけて見えてくる

 

随分前のこの時期に”夢幻”という記事を書いたことがあったので

夢幻Ⅱというタイトル