正念場
畑から仰ぐ浅間山雪化粧。
強い寒気が入ってきた。
明日は遅霜かもしれない。
そう思いながら終日植え付け作業。
こんな日は止めておこう、なんていっていられないぐらい後が詰まっている。
量が多いからというより作業が遅くてこうなる。
頭に描くようなスピードの出るやり方ではないのだ、この不耕起栽培というのは・・・。
この冬の間に「耕運機あげるよ」とある方に言っていただき、使わないと思うけど持っていてもいいかなぁと、「いいんですか、では」という話になったのだが、ただの口約束だったから、「買ってくれるという人がいたから売っちゃった」ということになっってしまった。相当程度のいい耕運機だったし、多分「ただって訳にはいきませんから、少しは払いますよ」とか言っていればうちに回ってきたかもしれなかったなぁ、とは思ったけど、残念という気持ちはない。
手に入ったとしても使わなかったが、今思えば手に入らない方が良かった。
もうこれで行くと決めている。一生をかけた職業として挑んでいる。
やりながら工夫の余地を見つけよう。耕して断ち切ることはしたくない。
1穴1穴格闘しながらも土の匂い、生命の息吹を感じながら植えていく。今が、ここが正念場、1番の頑張りどころだ。
前を見よう。
この序盤戦(生育初期)の苦しい時期を乗り越えれば、驚くほど素晴らしく思える光景の連続が待っている筈。何よりおいしいと思えるやさいに出会える筈。
そこに”何か”を感じてくださり決して安くはないやさいを取ってくださる有難い”ソウルメイト”(昔佐野元春が言って気に入っていた言葉)が大勢ではなくともいらっしゃるのだから。