限られた時間で膨大な作業予定。
それにのまれることなく1つ1つかたづけていく。
なるべくそう心がけるようにしてここ数日で人参草取り、ジャガイモ収穫、トマトジャングルの解消(草刈り芽掻き誘引)と大きなところをやっつけた。
ただし当初の予定通りにいくことはない。「予定外」が入るからだ。
だから後に後にとどうしてもずれる。仕方ないが悩ましい。悩ましいが仕方がない。そういうものだと割り切るだけ。
その1つが黒もちトウモロコシ過去最悪の獣害虫害。手を尽くしたつもりだが毎日拡大する食害である。
年に1度の注文をくださる方、長い方は10年以上にわたって毎年お送りしている”黒もちファン”を今年ほどやきもきさせてしまう年はなかったと思う。
雉にムシャ食いされた年もあったし去年もキツネにやられ苦労したがここまでではなかった。
考えられるのは僕の耕作地の隣接する畑は今年からすべて耕作放棄地になってっしまったことだろう。
ソーラーパネル設置圃場が1か所あるがあとはどこも無法地帯のようになっている。
獣が身を潜め、狙いを定めるのに格好の環境となってしまった。
こうなると、かなわないやぁ、と僕はあきらめがち。
まあすべて食べつくされるとまだ決まったわけではないし運を天にまかせよう、とか・・・。
予定外といえばころの世話にとられる時間もそう。
体調はずっと芳しくなく、まあでもなるようになるさと最後は考えるしかなかったが、よくよく観察していたらわかった。どうやらころは心の病だった。
もとは足を痛めびっこになってしまったのは確かだが、そのコンディション不良が原因で徐々にいじめられるようになっていく。食料の争奪戦に参加しないのはもちろん他の5羽に近寄ることさえしなくなり、そして止まり木には上がらず鶏舎の隅で後ろ向きでうずくまり身を固めてほとんど動くこともしなくなってしまった。食欲より恐怖が勝ってしまった危険な状態。
僕が看病を始めたのはそんな時だったようだ。
だからほんとうは医者や薬が必要だったのではなかった。
必要なのは心のケア・・・でもどうすれば鶏の心のケア・・・。
5羽を放し飼いしている敷地の外に出し、そこは公道だがなんとか歩かせて食べさせるようにしている。ただずっと見ていないと車にはねられるかもしれないし向かい側の山に住むキツネや野良猫も怖い。
しばらく促していると動き始める。少しペースをつかむと食欲も出て声も出てくる。ただミミズを出すと途端に恐怖心から毛を逆立てて声と動きがこわ張る。思うにミミズ採り争奪戦でかなり怖い思いをしてトラウマになっているのではないだろうか。
畑に行くときには放し飼いスペースに戻す。家の中よりはいいだろう。ほかの鶏と離れたところに放してもう少し遊んでな、というが、ころは足を痛めていたとは思えない猛ダッシュで鶏舎の中の段ボール小屋に向かう。途中でほかの鶏に見つかるとつつかれる。主にヒメがやる。ヒメはナンバー2の鶏。彼女たちは格付けをかなり気にする。ころは以前ナンバー3だった。
今日もヒメにつつかれた。悲鳴を上げる。すると近くにいたピヨがつついてきた。
ころはここで奮起した。それはそうだ。ピヨはナンバー6、ナンバー5だったチビがケガをきっかけにいじめられた時期があり、その時からピヨが5に上がったが、身体能力ではチビより圧倒的に低く実質的には6だろう。そしてかつてはころが最もピヨをいじめていたのだから。
ところがころの感情にコンディションはついてこなかった。わずかだが優勢はピヨだった。
たしかに最近ピヨのコンディションの良さは感じていた。実際、自信があるからヒメに続いたのだろうし・・・。
そしてその瞬間からのころの動揺は激しくとてもみていられなかった。
自信、屈辱、コンディション、僕には痛いほどわかるところ・・・。
さて、
解決の努力はしよう。
やれることは精いっぱいやろう。
だけどやっぱりそれ以上のことはなるようになるだけ、運を天に任せるだけさ・・・
とやはりそこが終着点となる。
・・・
話し変わって今日発送のセットには秋の実り、栗が入りました。
うちの畑に栗の木が6本あり、うまいことずれながら1月近く収穫が続きます。
そして定番の棗、原木キノコ、等々続き”旬のセット”と自信を持っていえる時期がこれからの2か月
です。畑が最も美しく”自然農”を映し出してくれる季節が秋です。
夏が好きで夏の後の秋は嫌いとずっと思っていましたが、結構良い季節なんですよね。
どうぞ畑へ、遊びにお越しください。忙しさ?全然平気ですよ。
まあそんな暇のある方もなかなかいないかなぁ。