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価値感は多様

猛暑の続いた夏の始まりから一転、秋を感じるような涼しさが続いています。

今日の雨は冷たく、秋雨のような風情でした。

畑の様子はというと・・・

7月初旬以降夏野菜の収穫が順次始まり、ズッキーニ、きゅうり、なす、それにトマト、スイートコーンといったところが採れ始めました。ピーマン、オクラは来週でしょうか。

 

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子どもの夏休みも明日からですが、これから夏本番!と畑も熱く盛り上がっていきたいものです。

 

 

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さて、今日話題にしたいのは、実はこれ毎年1番人気なのかもしれない、小さなスイートコーンのこと。

先週お届けしたお客様からは、有り難い絶賛のメールが届いた。

美味しすぎる!と。

 

今年は例年以上に小さいがそれがいいのか・・・肥料分の少なさゆえか虫食いはなし、あまりに小さくてかカラスや雉も食べに来ない。

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このスイートコーンから諸々考えてみた。

つい先日には、もうピンポン玉みたいに小さいのしかないんですが、と言ってお届けしたタマネギをやはり絶賛してくださった方がいた・・・そんなことが立て続けだったにあったので。

 

 

 

当地は高冷地ということで甘さ抜群のスイートコーンは特産品の1つであるが、この作物は通常化学肥料&農薬ありきである。

勿論散布される殺虫剤は人間の健康に直ちに影響を与えるものではないものだろうし、量の規定もあるのだろう。 

心配ないって!何より甘いし生でもいけちゃうよ!(安心安全)と一声で、この時期の農産物直売所に山のように置かれるスイートコーンはみるみる売れていく。

 

 

農薬使用なし、なんて不可能・・・ 地域の直売組合の会合に出た時そんな話が出ていたが、僕は1人首をかしげていた。何かを言う勇気はなかったが。

もっとも元々農業は人間の欲を満たすために発展してきたものだから、そこであまりきれいごとは言いたくない。自然の許容を得られる範囲であれば、欲を満たすためのいろいろな試みがあることは人間という特殊な生物の自然の発露であると肯定したい。

それに、代々地域を守り、日々真摯に田畑に向かう技術も高い先輩方に対し、自分が自然に沿った農業を心掛けているからといって一段上だとか偉いというつもりもない。

だけどリスペクトし過ぎてたかなと最近少し思う。

売れるものを作らなければいけない、人が求めるものを作らなければ、プロ意識を持って・・・、というが、求められているのは大きくて形の良い、良く揃った野菜だろうか・・・。確かにそれを求める人は多くいるだろう。でも他のニーズも沢山あるだろう。そういう意識の浸透が、プライドが邪魔をするのかこの地域では少し遅れているのかな、と思う。

大分前の話だが、人参の間引いたものを持って行った直売所で「ゴミ持ってくんな」とあしらわれた。曲がった胡瓜を持っていって「なんだこれ、畑に捨てとけ」といわれプロ意識が足りないかと考えたこともある。

 

同じ土俵に立ちたい気持ちもあったが、立つ必要もないなと最近はまた腹をくくった。 

 

 

農業を人の身体の土台となるもっとも根源的な産業として考えてみればいい、健康に生きること、病気を患うこと、その命運を握っていると。

そのやりかたでそんな収量で人口分の食料が賄えるのか、といわれればイエスという。

小さいから、曲がっているから、虫食いだから捨ててしまう、とかしなければ大丈夫だから、という。

消費する人々の中に多様な価値観が広がっていることはわかっている。 

生産する農家が少なくとも価値観の多様性を許容できなければ先はないと思う。

僕は考えた。ここで猫被ってちゃいけないな、もっと自分なりのポリシーを表明することも大事、前に向かうべき・・・。

 

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