しんしんと降り積もってゆく雪を眺める。
今日も人生の特別な1日。
どこへも出ず、それでも充実した1日だったという実感と共に過ごしたい。
昨日は104歳の天寿を全うした祖母の葬儀だった。年始に元気に挨拶を交わして1週間しか経っていない。最後まで精一杯生きて、そして生き抜いた。
活動的というわけでなく、若いころから外に出かけることを好まなかったという祖母。印象に残っているのも炬燵に座ってテレビを見ている姿、傍でみれば単調な1日の繰り返しであったが、小さな身体の内側に計り知れない程強く大きなものが積み上げられていたことは、相対してみると疑いようがなかった。
その境地には到底届かないにせよ、自分があとどの位か生きるとして、無駄に過ごしたと思う1日がなくなるなら、人生の時間は充分に長いと思う。
了