コロを連れて近くの動物病院へ
大腿骨骨折らしい
かなり酷い状態とのこと
難しい手術になる、うちではできない、どうします?
1動けない状態のまま食事を与え世話を続ける、か
2安楽死、か
3隣町に多分手術をしてもらえる病院があるからそこへ問い合わせる、か、費用はかかるが・・・
もちろん3を選択する
車を走らせながら思いだしていた、我が家にきて2年7か月の間に2度死にかけている
その他に小さなケガを何度もしている
なんでいつもアンタなの・・・と声が出る
怪我ばかりするのはオレと同じ性質だなぁ・・・
小さい頃から単独行動が多く、離れた場所でひとり納得するまで帰ってこないので”職人肌”と呼んでいた
突き詰めるタイプだが俊敏さにかけ”コロ”はいつしか”トロ”とも呼ばれるようになった
群れるのが嫌いなのにじつは甘えん坊で、いつもすり寄ってくる
抱っこすると気持ちよさそうで、ときどき寝入ってしまうのがコロだった
だから今日も・・・僕に1羽だけすり寄ってきたがために起きた不運な事故だった・・・思いだしたくもない・・・
入院して手術、3日後ぐらいに連絡がくるという
失敗して死ぬ確率?勿論ありますよ、でも最善は尽くしますから・・・
僕の帰りがけ、あのおとなしいコロが騒いだ
待ち受けているのはどんな運命だろう・・・
少し前にびっこをひいていたのはスズだった
やんちゃで強くてほれぼれするようなフォルムをもつスズに僕は憧れを抱いている
だからその日夕方畑から帰った僕はその姿を見て大ショックだった
竹林や藪地を含む100坪ほどのスペースで放し飼いされている鶏達
いったい日中何をして過ごしているのか
目の前に狐が徘徊しているようなところ
だから6羽の鶏の身に何があってもおかしくないとは頭ではわかっているのだが・・・
スズはたくましいからその時もびっこひきながらも他のやつらを蹴散らしていたが、もしもスズを失うと僕は立ち直れそうにないから医者に連れていきたかった
でも予定が詰まっていたうえ余りにも嫌がるので断念した、明日にしようと
すると翌日嘘のように、いつもの動きで駆け回っていたのだ
それはスズだからかもしれない
気力で直ったんだ、と思った
・・・・
今回のこの骨折は
気力で直るものではない
だけどコロの気力、生命力を信じたい
今現在、まったく環境の違う場所でちゃんと寝ているか 何をしているのか 手術はいつだろう 骨は折れたが心は折れずに前へむかっているだろうか
どんな運命だとしても、鶏生最後の最後まで・・・
病院を出ると日没時だった
おそらく、これは直観だが、今日(夕方の)日が伸び始めたのではないだろうか
希望が膨らむ日
前方が明るく開け始めるというイメージが生まれてくる