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公表 カルチベーター

 

野菜を自分で作りたい、と思い立ち、8畝(240坪)の畑を借りて、実際にはそのうちの2畝(60坪)足らずで家庭菜園を始めたのが2003年の4月。

その時から間もなく丸10年になる。

当初から、”不耕起栽培”に取り組み、模索、試行錯誤を続けてなおこの栽培法を愛し続けた10年間だった。

ただ、この間、この栽培しか経験がないというわけではない。1年間勤めた農業法人では、農業のイロハを教わる中で肥料や農薬の散布もトラクターの運転も経験した。慣行農業がどういうものかは理解している。

それぞれ栽培技術に関しての、メリット、デメリットも年数を経るほどにより深く分かってきた。 

10年1区切りと考えたわけではないが、1つの、以前から頭にうかぶことはあったのだが・・・ 考えを実践に移してみることにした。

小さな管理機、カルチベーターをネットオークションで購入した。カルチベートは直訳すると「耕す」だから、まさに耕す機械を購入したのである。

といっても20坪程度の庭を耕す為に使用するような極小パワー品なのだが、欲しいと思ったのはそういうものだった。

エンジンのついている農業機械は、草刈り機に次いでこれで2台目だが、共にまだ「我が手で操る」という感覚を保て、手業としての技術を磨いていけそうにも思えるのが、せめてもの免罪符のようで。

 

さて、この機械を使って狙うのは極々狭く浅く・・・表面を浅く削るような感じ。

全国で時々やっているらしい「自然農の学びの会」等で行なわれるレクチャーをみれば、多分(全く保証はないが)、作付けの場所は草を削ったら、整えるために軽く耕すはず。・・・いや、少なくとも僕はそうだったし、そうでないとうまく発芽したり、根を張ったりしないことが多いと思う。

だから厳密なことを言えば、”不耕起栽培”は決して耕さない栽培のことを言うわけではなく、土を攪拌するほどには耕さないことなのか、と思う。

まあどうでもいいんだよな、ほんとは。「自然農」とか「不耕起栽培」とかの言葉も、人に伝える時に便宜上使われるだけで、的確な表現とも思えない。あってもなくても良い様な気さえする。

 

話は少し飛んだが・・・ 鍬や鎌でやってきたことと余り変わらぬように機械で、良い部分をなくさずに、播種や植え付け作業のスピードアップを目指す。 

目標は収穫量アップ。具体的には、セットに詰める野菜の量を増やしたい&食べてもらえる人の数を増やしたい、なのだが、それは面積拡大を目指すことではない。1つ1つの作業を今まで以上に濃密に集中して行うことで達成したい。

そのためのスピードアップである。

そして本日試運転、腕を磨けばうまくいきそうな気が、ムムムやりがい!! 

 

Karuchi320

  

 

永続可能な農業「自然農」とはいうものの、なかなか永続しない人が多いことも知っている。

家庭菜園なら良いだろう。

隣の家の化学肥料たっぷりの菜園に、比べるべくもない小さな小さな産物でも、引け目など感じず、堂々としていれば良い。

そこには比べる必要のない充分な価値があり、味もある(おいしい!)。

だが、生業として農業をしていく場合には、そのハードルはかなり高い。

 

僕はできることなら、農業者であることを生涯永続したいと思っている。

そのためには、"デメリット”に対しては改善を考えなければならない。

一歩一歩、ゆっくりと長く、歩くために。

 

実は、僕の中では、今までも繰り返してきた改善と比較しても、そんなに大きなこととは思わないのだけど、この変化によってなにか、作物の味なり、醸し出していたエッセンス(?)なりに変化が起こったとすれば、既存のお客さんは離れていってしまうのだろうな。勿論自分でもそれは絶対に避けたいこと。

いや、未来は分からない。まあ、前向きに歩を重ねましょう。=ええ、今僕は、ソートー前向きです。 

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