東京から移住し近くで農業(自然農)を始めたご家族が先日見学にこられた。
昨年までは会社員だったスマートな御夫婦。小さな子供を連れ見も知らぬ土地での再スタートは気苦労も多いことと思う。
去年彼らが田舎暮らしを思い立った頃から知り合っていた。実は、もしかしたら早々に挫折してしまうかも・・・と懸念していた。少し理想や夢を思い描きすぎているように感じたから。少し前のめりというか。
そうだったとしても稀に見るすばやい決断と、行動をみればそれはそれで良かったのかもしれない。
いや良かったのだ。
畑を見回りながら色々話した。
やはり壁はさまざま繰り返し押し寄せるようだが、現にここに居て時折明るい顔で近い将来への希望や情熱を語り、それが現実的で地に足がついた言葉なので、聞いているこちらにも力が伝わってくる。
すでにお客さんもついてやさいを届けているそうだ。今まで有機やさいを色々食べていた方が「こんなにおいしいのは初めて!」というらしい。
うん、うん、と僕は聞いている。
自分にも経験がある。
自分で作ったものを自分でおいしい!と思うことはありがちだけど、人様からそう認めていただくことは本当に嬉しい。そして価値を感じることが出来る。その作物、その栽培、栽培にとどまらず自分がしていること、考えていること・・・。
誇りがもてるようになる。やる気がみなぎってくる・・・。
まだまだこれから、これから寒い冬、そして先は長いが、歩み始めた彼らへのエール、そして共に頑張っていこう、と同志の思いを伝えた。
心配していた奥様は吹っ切れたような、開き直って力を得たものが持つ独特のオーラを発していて印象的だった。
今朝の-5℃にも怯まぬ小松菜のように頑張ろう!