ジャガイモの葉を散々食べ尽くしたニジュウヤホシテントウが、引き続いて茄子、トマト、ズッキーニに取り付いた。
その光景見ると気の弱い人ならノイローゼになりそうな程。今年はなにやら例年以上の大発生である。
ホームセンターに寄ると園芸売場の顔なじみの店員と話す。
このテントウムシの話をしたら、「消毒しないんですよね?」と聞かれ、そうだ、というと、「じゃあやられますよ、あれはどうにもなりません、うちでも畑やっていますけど、かけてますよ。だからやられません。よく効きます。子供がいるから、かけたら2日ぐらい食べさせないようにはしているけど、別に問題ないですよ」
殺虫剤ぶっ掛けることを消毒という。
ああ、天敵のいないというニジュウヤホシテントウ、対策といえば対症療法しかないのか・・・
手で取るか”消毒”なんだろう。
よく言われる言葉がある・・・つい最近も代々農家の近所の人が言っていた ”無農薬で良いのなんて採れねぇ”・・・
それをを決して正しいとは思わないが、この地で代々背負ってきた農業に思いを馳せると、一概に否定できるものではない。
さっき思い出したのだが、12年前のちょうど今頃だった、林業研修の為ここにやってきて田舎暮らしのスタートを切ったのは。
自然が豊かで、水や空気がきれいな所で汗を流す毎日を送ることを望み、手に入れた生活。
そして4年後に農業に転じた頃、畑や庭に除草剤をシャカシャカ撒いている人がやたらと目について仕方なく、憎しみさえ覚えたものだった。
そんな僕が始めたのは林業仕込みの不耕起栽培。そして8年後の今に至っている。
だが、近隣の農家の諸先輩からは、笑われる、同情される、鼻にもかけられない、すぐにケツをまくる、と面と向かって言われる・・・ ”できっこない 続きっこない”という根底にある共通する訝りを痛いほど感じる。
未だにそう。
僕が今はもう反発しない、そう決めているのは、田舎での暮らしというものがだいぶ分かってきたからなのだ。高齢のご夫婦、子は都会に出て住み着いてしまった、というような方が結構居る。若い人は出て行ってしまう。
さて、そんな御老人が痛い腰をかばい代々の土地で野菜作りをする時、この草の勢いが圧倒的な時期に除草剤の助けを借りてしまうことを傍から見て、嫌な気持ちなんて起りようもない。さらに庭の裏もすぐにジャングルみたいになってしまう。灌木が押し寄せる。太刀打ちできない・・・。
田舎の暮らしは大変なのだ。
うちの庭と畑といえば藪と草むら状態だが、この草むらの中に一昨年だったか大スズメバチが巣をつくった。そして草刈していて刺された。その瞬間、医師から以前今度スズメバチに刺されたらやばいといわれていた僕は(林業から農業に転じた大きな理由)、死を覚悟した。その時の気持ちが少し清清しかった、という体験から自信めいたものが生まれた、という話はまあいいか・・・。
やまかがしはよく歩いているし周辺でマムシも見かけることもあるし雷は突然落ちる。これは実は田舎暮らしに限らないことだけど命を落とすリスクは常にあるといっていい。
事務所の職員とと現場仕事の職人の関係みたいにも思える。都会の人と田舎の人が(こういう安直な括り方はいけないかな)
現場(田舎)は大変なんだよー、そんなこというならこっち来てやってみろってんだ!
無農薬、無農薬言いやがって!
こっちではそんな風に思っている。
・・・・・
田舎暮らし12年、僕は、ここまで理解した。
でも田舎の人が良い、都会の人が悪い、と言いいたいわけではない。片方で僕は田舎に取り込まれたくないと思っている。
そして勿論、農薬は・・・撒かない! 金肥(化学肥料)は・・・入れない! 草は・・・しっかり生やしまーす 耕しません
さあさあ一石を投じるぞ、意地んなってやってやる!意地になるのは得意だぜぇ!
まあ、どうあがいたところで、この僕のやり方が広がっていくことはないと思う。
そして無農薬というもの、それはどうなのだろう。
原始の方へベクトルを向けて遡っていこうと個人的に考える人は世の中にたくさんいるが、”より環境に付加の少ない除草剤や殺虫剤の開発、普及”を追うことの方がきっと人間らしい方向性かもしれない。楽をしたい、楽になりたい・・・と。
何も否定はしないつもり。
ガンジーの言葉という”ウォークアローン(一人で歩け)” これが今、座右の銘である。
“田舎暮らし12年” への2件のフィードバック
うちも他人事じゃないので、ちょっと調べてみたら以下のような記事が。
「ニジュウヤホシテントウは、ナスやトマトよりもイヌホオズキを好むので、イヌホオズキを畑の脇に植えておくとよい(現代農業2001年6月特別号)」
参照:http://naturefarm.iti5.net/?eid=42
秋に濃い紫色(というか黒)の実がなるやつですよね。息子がおいしいと食べていましたが(笑)
トマトの脇とかにあると他の草と一緒にバッサリ刈っていましたが、残して様子を見てみます。
とやざきさん、さっそく情報ありがとう。
一刻も早く実際見てみたくて畑に行っちゃった、そして勝手に畑見せてもらいました。
参考にしてみます。結果はまた話しましょう。
車で15分のところに、仲間がいることは凄く心強いよ。
「一人で歩く」活力が湧くってもんです。
お互い頑張りましょう。