チョキチョキチョキ・・・
例によって三脚の上。
今年初めてひばりの鳴き声を耳にする。
自然に手が止まり聞き入ってしまった。
春の陽の光と調和して何倍にも美しく響く。
自分の中にいのちの感覚がはっきりと浮かび上がってくるのが感じられる。
親方の咳払いではっと我に返るまで、どんな表情をしていたかな、とふと考えた。
鏡で見る自分の顔はこの時期でもすでに真っ黒で、そういえばその昔、くろんぼコンテストで優勝した時からずっと真っ黒だ・・これは余談だが。
この前道端に腰掛けてタバコをくゆらせているおじいさんが、あんまり素晴らしい顔をしていたので、気になっていた。
話に聞くと90歳を超えているということだった。
おじいさん、タバコを止めようなんて思わないだろうな。あんなにおいしそうなんだから。
あの顔に”恍惚”と言う言葉がぴったりと当てはまった。
体のために良いもの、悪いもの、あるのでしょうけど、いのちは知識と別の次元で流れているのではないでしょうか。
昔読んだ「脳内革命」の中で書かれていた”脳内モルヒネ”というキーワード。長寿のための最重要物質。
”恍惚”とリンクした。
野菜をお送りした方から、便箋4枚、手書きのお便りが届いた。
嬉しかったのでちょっと抜粋・・・
・・・たかはしさんが大事にポリシーを持って作ってくれたんだなぁっていう野菜を自分の手で漬けたり、干したり料理したりすると、1品でもすごーく味わって食べるので、おなかいっぱい、胸いっぱいになっちゃうんですよね。・・・食べ物1品1品への想いが違ってくるんだと思います。・・・
この方の”恍惚”の少しはお役に立てたかな。
自分で栽培して、採れた野菜を食べる時、それはそれは僕はもちろん”恍惚”。
長生きしたい、とは思っていないけど長生きするかもしれないなぁ、もしかして。
それでもって、いつまでも元気に野菜作って・・・1人でも多くの人に1つでも多くの”恍惚”をお届けできたら嬉しいなぁ。